出生前診断-羊水検査
羊水検査(Amniocentesis)とは
羊水検査とは、妊娠中、胎内の羊水を採取することによって、染色体の異常を調べる検査です。
羊水内の染色体を調べることによってダウン症をはじめとする染色体異常がわかります。
また、羊水検査のほかに、ダウン症が生まれるリスク(危険度)を調べる血液検査があります。
羊水検査の方法
| 羊水検査を行う時期 | 妊娠16週前後 |
| 検査の方法 |
@超音波で子宮、羊水、胎児の状況を確認する。羊水を採取する際に、胎児や胎盤を傷つけないための確認。
A細い注射針を腹部から子宮に刺し、子宮内の羊水を採取。香港では、この前に、局所麻酔を打つことが多い。検査の際の、不快感は血液検査と同程度らしいが、胎児が怪我をしないかという心配のため知覚過敏になる人もいる。検査時間は5分から10分程度。 |
| 採取する羊水の分量 | 全体の羊水の10%以下。採取された羊水は、24時間以内に胎児によって補給される。 |
| 検査後の注意 | 24時間安静。その後もさらに48時間の安静を心がける。検査当日は車の運転はできない。 |
| 検査による流産の発生率 | 0.5〜1% |
| 検査がでるまでの期間 | 3週間 |
血液検査でダウン症のリスクを調べる
妊娠中期に、胎児や胎盤から分泌される2種類のホルモン(HCG=絨毛性ゴナトトロピンとOestriol)とタンパク(AFP=アルファ・フェト・プロテイン)の量を測定し、母親の年齢や環境(親族に染色体異常を持つ人がいるかなど)など、ダウン症が発生する危険因子(リスク・ファクター)を調べるによって、胎児がダウン症である危険度を計算します。
この検査では、ダウン症が生まれる危険度を数値で表すことができますが、ダウン症であるという100%正確な診断はできません。
検査は、妊娠15週頃行われます。
血液を採取するだけで済む検査なので、簡単なのですが、擬陽性=胎児がダウン症ではないのにダウン症の可能性が高い、という結果が出ることがあります。
擬陽性の場合、正確な診断を下す次のステップとして羊水検査が医師からすすめられますが、羊水検査を行ってからその結果が出るまでに約3週間かかります。
羊水検査の前段階として考えると、血液を採取するだけで済む検査であり、羊水検査以外の出生前診断として普及されている検査方法です。
擬陽性が出た場合でも、胎児に異常がない場合が多くあります。
ダウン症(Down Syndrome)
通常、人間の染色体は母親と父親のそれぞれの染色体が23本ずつ持ち込まれて一対となり、合計46本の染色体が含まれています。
しかし、ダウン症候群では、21番染色体が一本多く、3本になっているため染色体の合計が47本になっています。
こういった染色体異常の原因は不明で、ダウン症のほとんどは遺伝によるものではなく、突然変異によっておこります。
1000人に1人の割合で生まれてくるといわれています。
ダウン症は独特の風貌(丸くて平面的な顔つきなど)、発達の遅れ、ときに心臓の形態異常などがみられますが、性格は温和で穏やかな子が多いそうです。
先天異常のため、根本的な治療はありませんが、発達の遅れなどは両親や家族が援助することによって発達を促すことができます。
心臓疾患を合併している場合は、しかるべき専門医と相談しながら、治療を行います。
乳児期から運動・遊び・言語・社会性など、子供の発達に応じて援助する療育センター(香港での連絡先は下記に)が政府によって運営されています。
香港のトレーニングセンターでは、ダウン症の子供たちの発育を助けるためいろいろなトレーニングを行っています。
もちろん、日本人や香港在住の外国人も通っています。IDカード所持者であれば、政府から補助金が支給されます。
|
日本ダウン症協会 東京都新宿区北新宿1-10-7-203 Tel:03-3369-3462 Fax:03-3369-8182 月〜金 10:00〜15:00 |
|
Watchdog Early Learning and Development Centre 監護者早期教育中心 No.12 Borrett Road,Central,Hong Kong. 香港中環波老道12号 Tel:2521-7364 ☆障害を持つ子供たちや発達に遅れが見られる子供たちの発達を助ける療育センター |
☆参考文献☆
・Hospital Of St.John & St.Elizabeth 資料Antenatal Testingより
・「生と死から学ぶ デス・スタディーズ入門」、鈴木康明著、北王路書房、1999.
(この本を書いた先生は私の恩師です。すごくいい本です。興味がある人は読んでね。)
・「ホーム・メディカ 家庭医学大事典」、小学館、1996.
・「30歳からの初めての安心出産」、神津弘著、日東書院、1992.